「くすぐったい」は快感の一歩手前?

多くの人が気持ちよくなる性感帯があるのと同じく、触れられるとくすぐったい場所もあります。例えばへソの周りやワキの下、足の裏などをコチョコチョとくすぐられて、身をよじって笑った経験がある人はかなりの数にのぼるでしよう。くすぐったさは性感の一歩手前という勘違いが、広く信じられているようですが、くすぐったいという感覚とエロティックな快感とのあいだには大きな隔たりがあり、埋められるものではありません。性感帯になると信じて刺激を続けても、開発される日は永遠に来ないでしよう。パートナーの口から笑い声が漏れることはあっても、快感を知らせる甘い喘ぎ声が出ることは、まずないということです。自分がくすぐったいだけのところを、しつこく指でなぞられたり舌を這わされたりしたら、どう思いますか?パートナーの気持ちを一度自分に置き換えて、その愛撫が正しいかどうかを振り返ってください。

女性は前戯が好き、だから長いほど悦ばれる?

まずは、なぜ前戯が必要なのかを考えてみましょう。それは、女性の心身の興奮を高め、挿入をスムーズにするためです。性器が充血し、膣の入り口が開かないと、ペニスを入れるのは困難。また、濡れることでピストン運動の際の摩擦が軽減され、滑りがよくなるという効果もあります。女性の準備が整う前に強引に挿入すると、痛い思いをさせたり、粘膜に傷をつけたりという事故につながることもあるため、やめてください。

前戯にそれなりに時間をかけると、お互いの感度がより高まります。けれど、あまりに長時間にわたると愛液が分泌されなくなって、挿入前に乾いたり、オーガズムに達しないまま女性が興奮のピークをすぎたりということが起きてしまいます。焦らすことはOKでも、焦らしすぎはX。挿入のベストタイミングは、女性自身がよくわかっています。「入れて」とお願いされたら、男性は前戯を切り上げたほうがいいでしょう。

体位を変えるときは、抜かないほうが良い?

体位を変えるときにペニスを抜かない男性は、その理由を、「女性の集中力が途切れ、感度が低下するから」と説明します。なるほど挿入が中断して時間が経ちすぎると、女性は興奮が冷め、潤っていた腟が乾き始めます。一理ありますが、実際には抜かないまま無理に体位を変えるのは、メリットよりデメリットのほうが大きいのです。

例えば騎乗位から後背位に変えようとすると、どうしてもお互いアクロバティックな姿勢を取らなくてはならない瞬間があります。このとき、自分の姿勢を保つことに神経が傾き、男女とも快感に対する集中力は中断されます。また、愛液がよほどたっぶりと出ていない限り、小陰唇がペニスに巻き込まれて女性にダメージを与えることになります。抜かないことにこだわりすぎるのはやめましよう。必要に応じてペニスを抜きながら、それでもできるだけスムーズに体位を変換するのが最適な方法といえます。